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執筆者の写真吉田正幸

OECD加盟国の中で日本は“少子化大国”

 

現金給付は出生率向上にさほど寄与しない! ~OECDが出生率に関するレポート


 OECD(経済開発協力機構)はこのほど、社会指標に関する報告書を公表し、その中で経済的支援や育児休業、公的保育など、様々な社会的側面が出生率の動向に及ぼす影響を分析しつつ、主要な政策課題を明らかにしています。

 それによると、日本はOECD加盟国の中でも出生率の低下につながる要因が多く見られ、とりわけ生涯子どもを持たない女性が増える傾向が他の国より高いことが分かりました。いわば“少子化大国”日本が浮き彫りになった格好です。

 また、児童手当や家族手当のような現金給付は、「せいぜい一時的な影響しか出生率に与えない」と指摘し、現金給付の政策的な効果はそれほど高くないことも明らかにされています。

 ここで報告書の中で示された主な調査結果を見ておきましょう。*は筆者によるコメント

◯女性の晩産化や無子化などによって出生率が低下している

 *日本も晩婚化・晩産化、無子化が進行

◯若者が直面している課題が、潜在的な子育て計画を妨げている可能性がある

 *日本も非正規雇用を含めて若者の低収入、雇用不安定が顕在化

◯女性が仕事と家庭生活を両立できると、出生率は上昇する

 *日本では両立支援がまだ不十分

◯OECD では、2022 年の女性 1 人あたりの子どもはわずか 1.5 人(合計特殊出生率)

 *日本は2022年に1.26

◯OECD では、2022 年の女性の平均出産年齢は30.9歳

 *日本は31.9歳

◯OECD では、20~29 歳の若者の2人に1人が2022 年に両親と同居

 *日本も2人に1人とほぼ同じ


 *報告書に盛り込まれた少子化に関する特徴や政策的な課題については、会員ページの「ニュース配信」で取り上げています。


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