保育政策の次の課題は過疎地域での保育機能の維持
政府の経済財政諮問会議は6月11日、「経済財政運営と改革の基本方針2024 (原案)」をめぐって論議しました。この基本方針は、いわゆる骨太の方針と呼ばれ、政権の重要課題や来年度予算編成の基本的方向性を示すものです。
その中で、少子化対策や子ども・子育て支援に関しては、「こども未来戦略」や「こども・子育て支援加速化プラン」を取り上げているものの、令和5年の出生数72万7000人、合計特殊出生率1.20という衝撃的なデータに対する強い危機感を反映した内容とまでは言えないものでした。
骨太の方針2024原案に盛り込まれた子ども政策関係の課題については、「全世代型社会保障の構築」に向けて、「『こども未来戦略』の効果的な実践による『少子化への対応』など関連する政策総動員で対応する」ことが盛り込まれました。
個別の政策については、「こども大綱の推進」に関連して、「保育現場の負担軽減を図りつつ、人口減少地域での保育機能の維持も含め『新子育て安心プラン』後の保育提供体制の在り方を早急に示す」との考えが盛り込まれました。
これは、ポスト待機児童時代の新たな保育政策の方向性に触れたもので、人口減少地域における拠点としての施設機能の維持や、多機能化、多世代共生、多世代交流など、施設の機能や役割、支援策について検討する必要性を明らかにしたものです。骨太の方針において、今後の保育政策の重要課題として示されたことから、これからこども家庭庁を中心に具体的な政策の在り方が検討されることになりそうです。
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