預かり保育もさらに拡充傾向が鮮明に
文部科学省がこのほど、令和5年度幼児教育実態調査をとりまとめたところ、私立幼稚園では預かり保育の拡充がさらに進み、2歳児の定期的な受け入れも増加していることが分かりました。
この調査は2年ごとに実施・公表されているもので、今回の調査は全国の幼稚園・幼保連携型認定こども園(休園中などを除く)を対象に、幼稚園8007園(公立2494園、私立5513園)、幼保連携型認定こども園6673園(公立945園、私立5728園)からの回答を基に各種データをまとめています。
このうち、預かり保育の実施状況をみると、令和5年度は私立幼稚園が97.1%(令和3年度に比べて0.2ポイント増)、公立幼稚園が77.4%(同1.0ポイント増)となっており、ほとんどの私立幼稚園が何らかの預かり保育を行っていました。
平日の預かり保育日数は、私立の場合、「週5日」が93.3%と圧倒的に多く、週4日以下は5%程度でした。公立の場合も、「週5日」が88.9%と9割近くを占めています。
平日の預かり保育終了時間をみると、私立は「17~19時」が71.9%と最も多く、次いで「17時」が12.2%、「19時以降」が8.6%、「17時より前」が5.1%となっており、17時以降まで預かり保育を行うところが9割近くに及んでいます。公立のほうは私立ほど長時間ではありませんが、それでも「17~19時」が43.3%と最も多く、次いで「17時より前」が31.2%、「17時」が21.7%、「19時以降」が3.1%となっていました。
また、預かり保育の実施内容をみると、平日の受け入れ幼児数(1園1日当たり)は私立が17.4人、公立が6.4人となっていました。1園当たりの平均園児数が私立で122人程度、公立で36人程度ということを考えれば、預かり保育の利用割合は私立が14%、公立が18%と、公立のほうがやや多いことが分かります。
土曜日や長期休業中の実施状況をみると、土曜日については私立が22.2%、公立が7.1%、長期休業中については私立が83.2%、公立が56.9%となっており、いずれも私立の実施割合が高くなっています。
一方、子育て支援関連活動のうち、満3歳未満児の預かり状況をみると、私立の場合、定期的に実施しているところが33.4%、保護者からの要望に応じて実施しているところが6.4%で、合わせて約4割の園が満3歳未満児の受け入れを行っていることが分かります。
ちなみに、公立で満3歳未満児の預かりを実施しているところは、わずか2.4%に過ぎませんでした。
満3歳未満児のうち最も受け入れている幼児の年齢を聞くと、私立は「2歳児のみ」が70.9%と最も多く、次いで「1~2歳児」が16.8%、「0~2歳児」が7.7%となっていました。2歳児のみを受け入れている園が多いものの、4園に1園は0歳児や1歳児を受け入れていることが分かります。
満3歳未満児の預かりに関して、平日の預かり実施日数をみると、私立の場合は「週5日」が56.5%と最も多く、次いで「週2日」が9.7%、「週1日」が9.4%、「週3日」と「週4日」がともに7.9%となっていました。7割強が週3日以上の預かりを実施しています。
*会員ページにのコラム・寄稿文に「vol.96|保育DX化の波が押し寄せてくる!」(コラム・保育ナビ)、「45|保育政策の未来(最終回)」(連載記事・新釈「保育政策Q&A」)、情報データベースに「文科省の令和6年度調査研究事業等」(その他)を掲載しています。