人口減少地域の保育政策にどう目を向けるのか
石破新内閣が発足し、10月4日に開かれた第214国会において所信表明演説が行われました。その中で、少子化対策についても言及し、子育て支援に全力を挙げることや働き方改革を推し進めること、子育て世帯に寄り添った対策を実施することなど、引き続き重要政策として取り組んでいく姿勢を示しました。
「次元の異なる少子化対策」を標榜した岸田首相から、地域分散型社会を目指す石破首相に変わったことで、地方を重視する石破カラーがどこまで反映されるのか、今後の少子化対策や子ども・子育て支援政策の行方が注目されます。
石破首相は、所信表明演説の初めの部分で「千年単位で見ても類を見ない人口減少、生成AI等の登場による急激なデジタルの進化、約三十年ぶりの物価上昇。我が国は大きな時代の変化に直面している」と、我が国が危機的な状況に直面しているとの認識を示しました。
その一つである少子化については、「少子化とその結果生じる人口減少は、国の根幹にかかわる課題、いわば『静かな有事』である」とした上で、①今の子育て世帯に続く若者が増えるような子育て支援に全力を挙げる、②こども未来戦略を着実に実施するとともに、働き方改革を強力に推し進める、③少子化の原因を分析し、子育て世帯に寄り添った適切な対策を実施する、といった取り組みに力を入れていくことを訴えました。
さらに、少子化をめぐる状況は地域によって異なることや、婚姻率が低い県は人口減少率も高いこと、この10年間で全国33の道県で男性より女性のほうが多く転出する状況となっていることなどを指摘した上で、「若者・女性に選ばれる地方」「多様性のある地域分散型社会」「地方創生と表裏一体のものとして若者に選ばれる地域社会」の構築に向けて取り組んでいく決意を明らかにしました。
なお、石破首相は同日、次官会議における基本方針として、「子育て支援に全力を挙げるとともに、地方によって異なる少子化をめぐる状況にも目を向け、若者・女性に選ばれる地方、多様性のある地域分散型社会づくりを目指す」考えを示しています。
人口減少地域における保育所等の在り方が課題となっているだけに、人口減少が著しい地方の保育政策にどのように目を向けていくのかも注目されます。