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執筆者の写真吉田正幸

昨年の出生数が約76万人と過去最低を更新!


 

確定値ベースだと73万人まで減少? ~ますます加速する少子化~


 厚生労働省が2月27日、人口動態統計速報(令和5年(2023)12月分) を公表したところ、昨年1年間の出生数は、前年より4万人あまり少ない約76万人となり、8年連続で過去最低を更新したことが分かりました。率にして5.1%という大幅な減少で、改めて少子化の加速に歯止めのかからない状況が浮き彫りとなっています。

 人口動態統計速報によると、令和5年1月から12月までの1年間の類型出生数は75万8631人で、前年に比べて4万1097人少なくなっています。減少率は令和4年と同じ5.1%となっており、高い水準で少子化が続いています。

 今回の速報値は、日本における外国人や外国における日本人等を含むもので、確定値の場合はこれらを含まないため、速報値より数万人程度少なくなります。令和4年の出生数については、速報値が79万9728人(前年より4万3169人減少)だったのに対して、確定値は77万759人(前年より4万863人減少)で、速報値より2万8969人少なくなっていました。

 そう考えると、令和5年の確定値は、速報値75万8631人より2~3万人少なくなり、73万人前後となる可能性があります。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると(令和5年推計)、令和16年(2034年)の出生数が76万1000人、令和17年(2035年)の出生数が75万5000人と推計していますので、令和5年の出生数(速報値)は推計より11~12年ほど先にいっていることになります。

 ちなみに、出生数に影響を及ぼす婚姻件数は、前年より3万542組少ない48万9281組(減少率5.9%)と戦後最低を記録しました。コロナ禍の影響が少なくなったにもかかわらず、婚姻件数が減少し続けていることを考えれば、少子化の加速は今後も続く可能性があります。「2030年までが(少子化のトレンドを反転させる)ラストチャンス」(こども未来戦略方針)として、政府は「次元の異なる少子化対策」に取り組む構えですが、果たしてそれが期待するような成果を上げられるかどうか、厳しい目が向けられそうです。

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