岸田首相は1月4日、伊勢神宮参拝後の年頭記者会見で「異次元の少子化対策」に言及した。その中で、「少子化の問題はこれ以上放置できない待ったなしの課題」であるとして、こども家庭庁の発足まで議論の開始を待つことなく、こども政策の強化について取りまとめるよう、小倉こども政策担当大臣に指示する旨を明らかにした。
対策の基本的な方向性としては、
児童手当を中心に経済的支援を強化すること
幼児教育や保育サービスの量・質両面からの強化を進めるとともに、全ての子育て家庭を対象としたサービスの拡充を進めること
育児休業制度の強化をはじめ働き方改革の推進とそれを支える制度の充実
という3つを挙げた。
一方、東京都の小池知事も同日、職員に対する新年の挨拶の中で、少子化問題に対する「大胆な取り組み」を行う意欲を示した。その中で、「少子化対策とは、国家百年の計に位置付けて、そして国策として戦略的に取り組むべき課題のはず」であるとした上で、「年末に発表された国の来年度予算案では、直ちに少子化から脱却して反転攻勢に出るぞ、という勢いにはなっていない」旨を指摘した。
そこで、小池知事は、「現状は、もはや一刻の猶予も許されない。だからこそ、都が先駆けて具体的な対策を充実させていかなければならない」として、「具体的には、0~18歳の子供に対して、月5千円程度を念頭に育ちを切れ目なくサポートする給付を行うなど、大胆な取組も考える」ことを明らかにした。