処遇改善等加算Ⅱの取扱いは微妙?
こども家庭庁は先ごろ、第5回子ども・子育て支援等分科会を開き、その中で処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化について検討することが明らかにされました。処遇改善等加算については、その趣旨や要件等の違いによってⅠ、Ⅱ、Ⅲと3つに分かれており、その分かりにくさや煩雑さ、事務負担の大きさなどから、教育・保育施設に過度の負荷をかけていることが指摘されていました。これに係る書類等を簡素化・統一化して、早ければ来年度から手続きや事務負担の軽減が図られます。
処遇改善に関しては、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲでそれぞれ趣旨や対象者、要件、加算額の算定方法などが異なっているため、施設・事業者にとっても、市区町村にとっても。その仕組みが分かりづらく、事務負担や事務作業等の負荷も大きいことが問題視されていました。
そこで、同庁では、処遇改善等加算Ⅰ~Ⅲの一本化を図ることとし、2025年度からの実施に向けて検討を行うことになったものです。その際、処遇改善等加算の一本化に向けた検討の視点として、次の3つが挙げられています。
〇加算の趣旨や要件(賃金改善の方法や研修の修了等)、加算額の算定について、どのように整理するか。
〇対象者・配分ルールをどう整理するか。特に、処遇改善等加算Ⅱの取扱いを検討する必要があるのではないか。
〇賃金改善の確認方法は、各加算ごとに、賃金改善計画書(実績報告書)で確認を行っているが、一本化する場合は、賃金改善の確認方法や書類を統一化する必要があるのではないか。
このうち、処遇改善等加算Ⅱについては、対象者が中堅職員や専門リーダーに限られており、併せてキャリアアップ研修の受講を義務づけるなど、加算Ⅰや加算Ⅱと考え方も配分ルールも違うため、「加算」というくくりで一本にまとめることは容易ではないと考えられます。
加算の一本化全体に関しては、保育のDX化が大きなポイントになると思われます。保育DX化については、給付に係る請求書類や監査に係る確認書類の作成作業など、数多くの保育業務を簡素化・統一化できるよう、給付・監査等の業務の標準化を進めるとともに、全国共同データベースを整備して施設・事業者や地方自治体と連携するといったシステム構築を目指しています。
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