top of page

人口だけでなく子ども政策でも他を圧倒する東京

執筆者の写真: 吉田正幸吉田正幸
 

0~2歳児の無償化などチルドレンファースト実現に邁進


 東京都はこのほど、令和7年度予算案を公表しましたが、その中で3歳未満児の保育料について今年9月から第1子まで無償化することが明らかになりました。そのための予算として、無償化全体で763億円を計上しています。少子化対策や子ども政策の推進といった施策全体では、前年度より7.8%増の1兆9732億円という巨額の予算となります。

 このうち、0~2歳児の第1子保育料無償化を含む少子化対策(出会い・結婚、妊娠・出産、子育てをシームレスに支援する施策)については、786億円(17.0%)増の5407億円を計上しており、都が標榜する「チルドレンファーストの社会」実現に向けた強い意気込みが見られます。

 都では、令和5年10月から0~2歳児の第2子以降について、所得制限なく保育料の無償化を始めました。令和7年度は、これをさらに進めて今年9月から全ての0~2歳児の保育料を無償化することにしたものです。新たに対象となる第1子として8万6000人を見込んでおり、第1子分の279億円を含めて無償化全体では763億円を計上しています。

 これに要する経費に関しては、「都と区市町村の負担は第二子無償化実施時の考え方を踏まえ設定」としていますが、第2子以降の無償化については都の10分の10負担(区市の負担なし)であったことから、基本的には都が全て負担することになりそうです。

 このほか、次のような新規事業にも取り組むとしており、人口だけでなく予算・施策においても東京都の一人勝ち状態が進みつつあると言えそうです。

◇保育所等の業務負担軽減支援事業:デジタルを活用して会計業務を担える職員を配置する区市町村を支援し、施設長のマネジメント力を強化

◇東京都病児保育推進事業:施設型及び体調不良児対応型等に対する支援を行うとともに、ベビーシッターを活用した病児保育に係る検証事業を新たに実施

◇東京都認証学童クラブ事業:子どもと保護者のニーズに応える、多様なサービスを提供する認証制度を創設し、質の向上を支える財政支援を実施

◇医療的ケア児等の育ちの支援事業:医療的ケア等により保育所に通うことのできない児童を対象として、保護者以外の他者と関わる機会を設けるため、看護師・保育士等をベビーシッターとして派遣する区市町村を支援

◇こどもDXベストプラクティス創出事業:「こども」「子育て」分野のDXを一層推進するため、出生届と後続手続のワンストップ・ワンスオンリー化や電子版母子健康手帳を起点としたプッシュ型の情報発信などを区市町村と連携して実践し、好事例を創出

◇ 乳幼児医療費助成事業補助:少子化が急速に進行する中、全ての子どもたちの健全な育ちと、子育て世帯の経済的負担の軽減を進めるため、医療証の更新時期と合わせ、令和7年10月から所得制限を撤廃し、全ての子どもを助成対象に拡充

bottom of page