top of page
執筆者の写真吉田正幸

世帯状況から見た少子化の現状


 

 厚生労働省がこのほど、令和4年国民生活基礎調査の概況を取りまとめました。それによると、児童のいる世帯は前年より82万世帯減って991万7000世帯と、遂に1000万世帯の大台を下回り、全世帯に占める割合も2.4ポイント減の18.3%と20%を割り込んだことが分かりました。

 児童数別の状況をみると、児童数が「1人」「2人」「3人以上」のいずれも前年より減少していますが、その構成割合は「1人」が2.5ポイント増の49.3%、「2人」が1.7ポイント減の38.0%、「3人以上」が0.8ポイント減の12.7%となっており、いわゆる一人っ子家庭がほぼ半数に上っています。

 また、児童のいる世帯全体に占める核家族世帯の割合は、1.8ポイント増えて84.4%となり、逆に三世代世帯は1.8ポイント減って11.1%まで落ち込んでいます。

 なお、児童のいる世帯の平均児童数は、0.03人減の1.66人と過去最低を更新しました。

 一方、貧困率に目を向けると、2021年の貧困線(等価可処分所得の中央値の半分)は127万円となっており、相対的貧困率は3年前より0.3ポイント低い15.4%、子どもの貧困率は2.5ポイント低い11.5%となっています。また、ひとり親家庭の貧困率は、3.8ポイント下がったとはいえ、44.5%と依然として高い水準にあり、子どもの貧困が深刻な問題であることに変わりはありません。

bottom of page