保育システム研究所

The research institute for system on childcare and early childhood education.

トピック

2013年04月08日(月)

新制度と認定こども園

 子ども・子育て関連3法に基づく新制度の本格実施に向けて、国はもとより地方自治体においても、その準備作業が徐々に始まっている。4月には設置される子ども・子育て会議で検討が行われるようになれば、新制度に関する具体的な状況も次第に明らかになると見られている。
 新制度になれば、認定こども園の運用にもいろいろ変化が生じると考えられる。最も大きな変化の一つは財政措置と会計処理だろう。現行の認定こども園は、幼保連携型だけが幼稚園、保育所とも認可施設ということで、私立の場合、幼稚園には経常費補助、保育所には運営費という財政措置が行われている。
 一方、幼稚園型は、保育所機能が認可外となるため、保育所運営費は給付されない。同様に、保育所型の認可外的な幼稚園機能に対しても、経常費補助は出されない。平成20年度から安心こども基金が創設され、幼稚園型、保育所型の認可外的な機能部分に対して事業費を補助できることになったが、補助するかしないかは市町村の裁量に任されているため、実際には補助を行わない市町村も少なくない。また、補助したとしても、類型と規模によって異なるものの、多くとも同規模の認可施設のせいぜい7割程度しか補助されないなど、財政措置は不十分であった。
 これが新制度になると、幼稚園型の認可外的な保育所機能であっても、市町村で保育認定を受けた利用者の子どもを受け入れるため、利用者に個人給付した施設型給付を法定代理受領することになり、確実に財政措置が行われる。同じように、保育所型の幼稚園機能に対しても、市町村で幼児教育の認定を受けた利用者の施設型給付を法定代理受領することになる。
 また、幼保連携型については、幼稚園に経常費補助、保育所に運営が行われるとはいえ、それぞれの公費の性格が異なるため、明確に区別しなければならない。例えば、幼稚園児と保育所児で合同保育を行い、水光熱費など費用が発生した場合、それぞれの園児数で案分比例して費用負担しなければならない。加えて、幼稚園部分は学校法人会計基準、保育所部分は社会福祉法人会計基準で会計処理するなど、非常に煩雑な処理が求められる。
 これが新制度になれば、施設型給付となり、いわば“幼稚園色”や“保育所色”の公費が“子ども色”の公費に一元化されるため、これまでのような煩雑な会計処理がかなり簡素化されると考えられる。
 これまでの不十分な財政措置と煩雑な会計処理が新制度において改善されることになれば、認定こども園の抱えていた大きなデメリットがかなり解消されることになり、認定こども園への移行が進むものと予想される。とはいえ、幼保の違いによる退職金や社会保険その他の福利厚生の違いなど、必ずしも解決されていない課題も少なくない。
 特に、新しい幼保連携型は、学校法人と社会福祉法人で設置運営している場合、設置法人を一つにしなければならないことから、それに伴って職員の処遇や福利厚生その他も基本的に統一しなければならないが、果たしてそれがどこまで円滑に行われるのか、まだ制度や仕組みの詳細がはっきりしないだけに、今後、子ども・子育て会議などでどういう検討がなされるか注目される。